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大学教員として生きる道

著者は40歳代の都内中堅私大の准教授です。大学教員になるまでの経緯、日常の出来事などを記録します。

大学経営ってなんだ!

現場の教員として大学経営について思うことがある.

 

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少子化が進むわが国において,大学経営が困難な状況であることは国公私立を問わず生じている問題だが,特に地方小規模私大,女子大学,地方国立大学においては喫緊の課題で経営基盤を安定させることは,教育の質を担保する上で欠くことはできない.

 

某大学アメフト部の様々な不祥事が明らかにされることに加え,監督が大学経営側の最重要人物であることから,その大学の経営体制にまで物議をかましている.驚くべきことに,経営トップの理事長が大学の問題が毎日報道されているのに,表にでずにパチンコ3時間の後にインタビューに応じる場面が報じられるなどしている.

えっ,大学の経営トップが ” パ チ ン コ ” あらら・・・

いや,別にプライベートで法に触れていない以上,パチンコしようが構わなし庶民的なのは結構だけど,アカデミックなイメージがこの大学には全く感じられなくなった.

 

さらに追い討ちをかけるように,某医科大学では,入学試験において私立大学支援事業の選定を見返りに政治家の子供を水増し合格させたり,女性の合格者を減らしていたりしていたことが明らかとなった.

 

以前にも紹介したが,平成26年中央教育審議会がまとめた「大学のガバナンス改革」では,教員組織よりも経営サイドの力で大学を立て直す方向性が示されている。

「大学のガバナンス改革の推進について」(審議まとめ)(平成26年2月12日 大学分科会):文部科学省

 

一般論だが,この国の方針を後ろ盾に大学経営陣は昔よりもかなり強気な姿勢が感じられる.それが大学の経営基盤の安定化につながっていれば良いのだが,私が感じる限り,ただ学内での社会的地位が教員側よりも経営側が強くなったに過ぎないのではと思ってしまう.現場を知らない経営陣が横暴な手段で,予算,人事を動かすことで,教育現場に悪影響が生じているのではないだろうかと感じる.

 

例えば,定期昇給ストップ,過度な任期制の導入,1教員当たりコマ数の増加,専任を減らし非常勤講師の割合を増やす,オープンキャンパスや入試の開催日増加,などは短期的に見ると大学経営において,増収,増益への取り組みに思える.

しかしながら,長期的には研究業績の低下をまねき,研究業績の停滞は外部資金の獲得率の低下につながり,外部資金を獲得できないことは大学の存続にかかわる問題になってくるだろう.

あるいは教育の質の低下は,学生の力不足につながり,学生の力不足は社会人としての活躍が停滞することになり,卒業生の就職実績,就業実績の低下は大学の不人気の原因に直結するであろう.

 

このようなことからも,大学の経営基盤を安定させるためには教育力と研究力,さらには社会貢献・地域貢献が最も重要な資源である.大学の経営者は是非,これらのことを肝に銘じて,学生の親御さんが支払う学費で経営ができていること,そして教職員の生活を守り,質の高い教育と研究を進められる環境を整備することがその大学の最重要な経営資源であることを再認識する必要があるだろう.