某私学の理事長が脱税容疑で逮捕されたようだ。この理事長は数億円以上の大学のお金が不正に使われたのに被害がないと主張していたようだ。謎だらけなので、その謎を少し整理したい。
①理事長が大学に被害がないと言った時に、事実として数億円の損害が出ていますよと、何故、誰も言えなかったのか?
②理事会や評議会は、全く機能していなかったようだが、何故、そうなってしまったのか?
③理事長宅に現金が億単位で見つかったのはリベートを受け取っていたことが濃厚だが、リベートにも税がかかることは理解していなかったのか? もし、ちゃんと税金を納めていれば、今回逮捕には至らなかったのか?
上記①②の疑問の答えは至って簡単である。
理事、教職員は全員、理事長派だったのではないだろうか?
現状維持バイアスという言葉をご存知だろうか? 簡単に説明すると変化を受け入れた方が有益であったとしても、変化を恐れたり、面倒くさがって変化をしない選択をしてしまうことだ。
すなわち、変化を好まないタイプの人間がこの大学には多くいたことが想像される。
この大学の教職員は、まるで日本人が無意識のうちに仏教を信仰しているかの如く、理事長派となっていたのではないか?
そして、この理事長の周りにはアウシュビッツのカポーの様に、暴力を振るわれたくないから、自らが志願して収容者に暴力を振るう立場になるような組織構造があったのではないだろうか?
③の理由は分からないけど、(1)税金の計算を正しく行う能力がないのか、(2)税金を払う必要があることは知っていたけど所得隠しをしたのかが争点になるだろう。仮にも巨大私学の理事長が税金の計算ができないというのはにわかには信じがたい。税金について知らなかったでは済まされないし、いずれにしても法の裁きを受けることになるだろう。
税金を追納して復職するかもしれないが、それを許すようだと、この大学は社会的信用を損なうだろうし、そこは文科省なりが入って管理しないと、三たび同じ問題が生じるだろう。