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大学教員として生きる道

著者は私大の准教授です。大学教員になるまでの経緯、日常の出来事などを記録します。

大学の収入源

大学教員の仕事は教育、研究、社会貢献の3本柱であるとよく言われる。従って何の疑いもなくこの3つに邁進していれば、ある程度の評価を得て昇級するのが筋である。しかしながら、少しは大学の経営的なことも平の教員も考える必要があるだろう。

そこで大学の収入源について見直してみたい。

①授業料、これは一番わかりやすい。

②私学助成(国からの補助金)、これもわかりやすい。学生数や大学の規模、経営状況によって異なる。

③寄付金、卒業生や関連企業などからの寄付なので、優秀な大学ほど集まりやすいだろう。

④事業収入、⑤資産運用、このあたりは分かりにくいと感じる。しかし、医学部があれば患者からの支払いが生じるだろうし、大学のグッズ販売などは分かりやすい。資産運用は土地をかしたり、投資した見返りなどであろうか。

一方で支出については、

①人件費、簡単に言うと給与なのでシンプル、②教育研究費、これは分かりやすい。③運営管理費、施設を維持したり、イベントを行ったりする予算だろう。

 

この様に考えれば企業などと比べて大学の経営経費は非常にシンプルだ。単純に経営状態を良くしようと思えば、学生を増やして教員の人件費を減らせば良いことになるが、教員の人件費を減らそうとすると、1コマあたりの学生数を増やす必要があったり、教員一人あたりの学生数が多くなるので、学生一人ひとりへのサービスが低下する危険がある。更に教員の研究時間を減らすほど担当授業を増やすと、研究が疎かになり外部資金の獲得ができなかったり、研究論文のアウトプットが低下して教育の質の低下が生じる危険もある。

 

一所懸命に取り組めるよう教員のやる気を出させることが、大学経営にとって一番重要なように感じる今日この頃だ。

 

 

 

論文を書くモチベーション

 

最近、論文を書くモチベーションが低下している。その原因を考えてみた。

 

1.任期のないポジションになって意識が低下している。

2.面白いトピックスにキャッチアップできていない。

3.老化現象(特に老眼で小さい字を読むのが億劫?)が進み脳が活性化していない。

 

などが挙げられる。

しかし、論文を書くことは研究者の仕事、調子が良いときも悪い時も、取組み続けることが大切だからやらなければならない。

 

学生時代には研究が面白くて仕方なかったが、今はやらなければならないように感じる自分もいる。現在、私は3つの雑誌の編集委員を担当し、そのうち一つは幹事を行っている。沢山の論文に触れる機会があり、他人の論文にはもっとこうすれば、ああすればと思うのだが、いざ、自分が書くとなると労力は100倍である。

 

過去に書いた集中力を高めるための記事を読みなして気合いを入れよう!

 

書いた論文を誰かが読んで、読んだ人の人生が豊かになったり、世の中が良くなったり、研究者が参考にしたりできれば良いかと思う。

 

 

 

 www.daigakukyoin.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

データをどうやって守るか?

実験や調査で取得したデータをどのように管理するかは非常に重要な問題である.

 

ハードディスク(HDD)やUSBなどに保存をするのが一般的だと思う.

しかし,ハードディスクはいつかは壊れるというのは周知の事実だろう.

下記のライフハッカー(日本版)の記事によると,寿命の平均は,おおよそ4年と書かれている.

しかし,使用頻度や製品の当たり外れもあるようなので注意が必要だ.

 

ハードドライブの平均寿命は? 使わなければいつまでも壊れない? | ライフハッカー[日本版]

 

私自身も過去にハードディスク,PCの故障を経験したことがある.

確か購入して2ヶ月ぐらいだったと思うが,カチカチ言って読み込まなくなってしまった.修理に出すと47万円とか言われ,無理~ ってなり,ダメ元でも自分で分解してみたが全くなにも解決できなく遭えなくおじゃんにしたことがある.その時の写真がこれです.読み込むためのレコードの針のような部品がカチカチ音がするだけでどこをどう直せばいいのやら,,,餅は餅屋でとは正にこのことで残念な気持ちになりました.

 

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この故障を経験した後に取り組んだのが,外付けHDD(ハードディスク),NASの設置だ.ちなみにNASとは(Network Attached Storage)の略らしい.USB接続の外付けHDDでも役割は果たすだろうが,NSAの利点はハブを介して複数のPCからアクセスできること,さらにNASのHDDには2つHDDが内蔵されているものがあり,自動的にコピーをしてくれる点が優れている.万が一NASのHDDの一つが壊れてもデータは生きていることになる.

 

 

PC関連でもう一つ情報提供できることは,PC内のHDDを定期的に交換することが重要だろう.すなわちHDDには寿命があるので3~5年に1回はHDDを交換することによって,PCが長持ちする.私は今利用しているPCは今年で10年目だが,全く問題なく動いている.その間にHDDは3回交換した.今はSSDを利用しているのでPCの立ち上がり速度は極めて速く,電源を入れてからの使用までのストレスは皆無だ.

 

 

 

HDDの取り換えと聞くと,何だか難しく感じる方もいると思うが至って簡単だ.まず,既存のHDDのデータを新しいHDDにコピーする.そして,既存のHDDを取り外して,新しいHDDまたはSSDを取り付ける.以上,終了である.その作業を行うために下記のソフトウェアを用いると便利だ.無料版でも十分に機能する.

  

学会発表の目的

8-9月は学会シーズンで大学の授業がないこの時期には学外に出ていることが多い.

学会に参加するポリシーとして,私は2つのことを自分に課している.

 

一つ目は「学会に行く=発表する」こと.

 

二つ目は「学会に参加する=質問をする」こと.

 

である.

 

一つ目の学会に行く=発表するは研究者である以上,当然であると思っている.発表をすることで,自分の研究について様々な指摘を受けることができ,反省点を持ち帰り次回に向けて研究をブラッシュアップすることができる.

 

人間は年をとるとだんだんと叱られることはなくなってくる.若い時は上長に,あるいは指導教員に,或いは先輩に叱られることは日常であったが,年齢を重ねるごとにその機会は少なくなってくる.そうすると,間違っているのか正しいのかを自分のみで決定していかなければならない.そのことは,一見,楽なようであるが実際には責任を伴う行為である.

従って学会発表を行うことによって指摘されることは大変名誉であると思う.

 

もう一つ,発表する目的は,マイルストンの役割も果たしている.先に演題と抄録を提出し,発表があると必ずそこに向けて自分で研究を進めることになる.人間,期限が決まっている方がそこに向けて頑張れるということがあると思う.

 

二つ目の学会に参加する=質問をすることは,一つ目の発表するの裏返しで,参加する以上は発表者に対して,気づいたことをフィードバックするべきだと思う.このフィードバックがなければ発表する意味は半減すると思う.

学会発表は,論文の公表よりもハードルが低く,基本的には発表したければ学会員であれば誰でも発表ができる.その分,質の低いものもあれば,完成度の高いものもあるし,教授の発表もあれば,大学院生の発表もある.

 

玉砕混合であるが,中には磨けば非常に優れた内容に発展が見込めるものもあるし,現時点で完成度が低くても,リサーチクエスチョンに優れた内容もある.発表者と聴講者がお互いに意見を言い合うことでより良い学会にしていくことが重要だと思う.

 

 

大学経営からみた非常勤講師が増えることの問題点

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大学教員の半数は非常勤,常勤の4分の1が期限付きであることがニュースになっていた.確かに衝撃的でこのような記事がアップされると大学教員を目指す人が益々減ってしまうのではないかと危惧される.

この記事で気になったのは非常勤の人数の数え方が述べ人数であるらしいので,実際には半数には満たないと思われる.非常勤のみで生計を立てている場合は,おそらく3大学以上に勤務している可能性も高く,非常勤の中には本務校がある教員も含まれている可能性も高い.今回の調査は朝日新聞社河合塾が行ったようだが,このような実態調査は本来,文部科学省の高等教育局がもう少し正確で詳細なデータを出すべきであろう.

  

そのことを前提としても,過去の推移でみても非常勤の割合が増えて,常勤も任期制教員が増えていることの事実には間違いがなさそうだ.この記事から読み取らなければならないのは,常勤の教員数と非常勤の割合のみならず,全体の教員が増加し続けていることにも問題がありそうだ.その背景には大学全入時代の到来や,大学数自体が増えてきていることが挙げられるだろう.時代の背景の変化とともに大学が果たす役割も日々変化し続けているように思う.もちろん旧帝大などに代表されるような研究重視の大学もあれば,地方私大のように職業能力を高めることに比重が置かれる大学もあるが,いずれの大学においても,大学で身に着けるべき能力は日々変化しているのではないだろうか.

 

私自身は大学教員として教育に携わる上でのポリシーとして,研究と教育の関係性について,教員は当該分野の最新の研究に最大限携わることで,高等教育機関に相応しい教育ができると考えている.しかしながら,一方では大学全入時代の昨今,当該分野の研究にさほどコミットしていなくてもやるべき役割があると考えることも実感している.

海外ではレクチャラーとリサーチャーを完全に分けて専任教員として雇用しているケースもあると聞く.レクチャラーは週十数コマ担当し授業のみを行うことを業務とし,リサーチャーは外部資金獲得,研究および大学院を担当業務とする考え方だ.

限りのある財源を効率よく使うには,このような役割分担を明確にした運営もあるのかもしれない.今回は非常勤と専任の割合についてのテーマなので,レクチャラーとリサーチャーの役割分担とは異なるのだが,以下に大学経営面から考えて非常勤講師の割合が増えることのメリットとデメリットを箇条書きにした.

 

大学経営的観点からみた非常勤講師の割合が増えることの短期的メリットと長期的な問題点

短期的メリット

1.非常勤講師を増やすことにより専任教員の授業負担を減らせる.

2.専任教員よりも安い人件費で済む

3.学生数が増加したり確保できないときにコマ数を調整しやすい.

  (全く望ましいとは思わないですが...あくまでも経営的な視点で)

4.特定の分野に特化した専門的な授業を開講できる.

 

長期的問題点

1.専任が減り非常勤が増えると大学全体で研究業績が落ちる.

  →大学が生産すべき価値創造の根幹にかかわる問題

2.研究を行いにくい環境の非常勤講師が増えると教育の質が低下する.

3.5年の雇い止めの問題の勃発.

4.非常勤講師の確保とコマの割り当て等のマネジメント業務の増加.

 

 

 

学会賞を受賞したこと

久々に学会賞を受賞することができた.6年ぶりということになる.筆頭発表者としての受賞は今回で生涯2回目であった.

 

中には何度も受賞される先生もいるが,40歳を過ぎても未だ2回目,しかも国内のみというのは研究者としては3流かもしれない.それでも,私のなかではやってきたことの方向性が間違っていなかったことを確認するには十分な根拠となったし,この学会での仕事を重要視しようと思う動機となった.

私なりに受賞できた理由を分析してみた.

 

・研究の着眼点として,新しい手法を用いた実践研究ができたこと.

 

・今回の学会に関わって数年して運営面で何らかのお手伝いをしたりして,顔を名前を覚えていただけるようになってきたこと.

 

・今回の研究を皮切りに,今後の発展性が見込めるとうこと.

 

これらの3つの理由が今回の受賞につながったのではないかと思う.

 

研究テーマについての考え方は様々あると思うが,私のなかではメインの分野とサブの分野に分けて考えている.メインの分野は,私のなかで最も重要視しているテーマで,これまでも継続的に研究を進めてきたため,科研費等の採択,論文投稿,査読依頼が来るようなテーマだ.もう一つ,サブのテーマは複数あるのだが,今回の研究のように偶然,共同研究者が新しい測定技術を持っていて研究をスタートさせることができたり,私自身のほんの少しの興味から始めたような研究だ.

だが,最近,私のなかで何がメインで,何がサブか,分からなくなってくることがある.あまりにも色々なことに興味があって,色々な分野に足を突っ込んでいるように感じている.そろそろ,この分野では誰にも負けない,というようになりたいのだが,なかなかそうならない.

 

マサチューセッツ工科大学(MIT)教授の利根川進さんは,1987年に生理学・医学の分野でノーベル賞を受賞されているが,脳神経や学習にも高い関心を寄せて研究を進めている.研究テーマの設定についての問いに「自らの好奇心のなすがままに」と回答されているようだ.大変心強いアドバイスだと感じる.日本にいると,この先生はこの分野の大家だとか,ある分野で突出した方が別の取組みをすると最近どうしたんだろうとか,そういう雰囲気を少なからず感じるが,もっと自由に好奇心がなすままに研究を進められるようになった方がいいと思う.

 

 

 

大学教員の確定申告を考える

本務校以外からの収入が20万円以上ある場合は確定申告が必要である.

 

国税庁のHPに「給与所得者でも確定申告が必要な人」の条件として法令で定められている.詳細を知りたい方は下記を参照.(平成29年4月現在法令等)

No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁

 

確定申告が必要な理由を述べようと思う.

本務校が行う年末調整で所得税は,その年の給与所得から控除額を引いた課税所得金額に基づき計算される.よく言うところの累進課税で,課税所得が300万円であれば税率が10%なので,3,000,000円×0.1-97,500円=202,500円の所得税となるが,4000万円を超えると税率が45%なので,40,000,000円×0.45-4,790,000=13,210,000も所得税を納める必要が生じる.(平成29年4月現在法令等で計算)

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 

非常勤先からの給与,あるいは執筆した書籍による印税,講演の謝金などの雑収入から源泉される所得税は,課税所得金額が195万円以下は税率が5%で源泉されている.しかし,所得税はその年の合算した課税所得に対して税率が適用される必要がある

したがって,例えば非常勤先からの給与が年間で60万円であったとすると,3万円が給与明細で既に源泉されているが,本務校の年収と非常勤等の他の収入を合わせた年収が900万円だと,税率33%が適用されるので,非常勤先からの徴収額が足りないことになる.非常勤先の給与1ヶ月分ぐらいの所得税をさらに払う必要がある.さらに言うならば,住民税は前年の1月~12月の課税所得にかかってくるので確定申告をしないと住民税の支払額が少なくなってしまう.

したがって,

 

大抵の人は確定申告をすると余分に税金を納める必要が生じる

 

しかし一つ救いがあって,雑収入に対しては必要経費を控除する事ができる.例えば,印税や講演会の謝金であれば集めた資料代やコピー費などが該当するであろう.私は必要経費の領収書を透明のケースにガサっと入れておいて,1年分の領収書を確定申告の時期に整理するようにしている.ノートに張り付けたりする必要はなく,クリップで止めて封筒に入れて確定申告の書類と一緒に提出するようにしている.

  

雑所得に対して必要経費を課税所得から控除できるのであれば,非常勤講師として本務校以外の学校から得られた給与に対しても必要経費を考慮できると思うのが筋だと思うのが・・・・

例えば,授業を行う為には書籍を執筆する時と同じように資料を集めたり,新聞をコピーしたり,PCを準備したりなど経費がかかる.その経費は必要経費としては認められないのか,認めらるのかは雇用契約があるか否かのようだ.

 

いやー,税金の徴収は実によくできた仕組みだと思う.頭の良い人もいるものだと感心してしまう.集められた税金で,公共施設が使えたり,社会保障が充実したりするので税金は法律に従ってきちんと支払うべきなのであるが,大学教員にとって,現在の職に就くまでの過程で一文無しで奨学金の借金を抱えながらやってきた身としては,せめて奨学金の返済額ぐらいは課税所得から控除して欲しいと思うのは私だけでしょうか.